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ご兄弟で工房をされている山口重信さんに、ペーパークラフトチェアーを作り始めた経緯をお聞きしました。
家具製作会社に勤めた後、1978年家具の取り付けおよび内装業を主とした山口工房を開設いたしました。
そんなおり、家具製作会社に勤めていたときに懇意にさせていただいていた、京都市立芸術大学名誉教授中村隆一先生より、『紙で椅子を作って展示会に出したいので手伝ってほしい』というお申し出がありました。
紙という素材で椅子が作れるのか?
最初は折り紙大の紙を幾度となく折りながら形を整え、中村先生のイメージを具現化していく作業。しかし、なかなか思うように仕上がってくれません。
それでも、再生紙をうまく利用し少しでも環境問題などが軽減できればという考えのもと、お互いに試行錯誤を重ねてペーパークラフトチェアーの開発に成功いたしました。
その後ペーパークラフトチェアーの生産販売のため、工房しをりを開設し今日に至ります。
なるほど、では工房しをりで作られている、ペーパークラフトチェアーの魅力とはなんでしょうか?
紙は色や質感が豊富で軽くて、加工し易く、木では作りにくい形や曲線が表現できます。
その上、折り曲げ加工をすれば人を支える強度が得られるのです。
JAS企画ではないものの、圧縮試験では、500kg以上にも耐えれるという結果が出ました。
また、私達は芯材には再生紙を使用し、接着剤には澱粉糊を使用してるので環境にやさしい仕組みを最優先にペーパーチェアーを作成しております。
表装に洋紙を貼れば洋風に、和紙を貼れば和風に、カラフルな紙を貼ればディスプレイ用にと表情がドラマチックに変化し、世界に二つとない椅子の製作が可能なんです。
イベント会場、待合室、ショールーム、お座敷、旅館等にさまざまな用途・場所でお使いいただけるところなどがペーパークラフトチェアーの魅力です。
紙で椅子を作るなんて本当にユニークですね。最後に山口さんのこれからの展望は?
昨今、光化学スモッグ、オゾン層破壊、地球温暖化など、地球が抱える問題は山積みです。
そんな時代にこそ、もっと自然の物を大切に使っていくことが大事なのではないかと常に想っております。
捨てられていく新聞紙やダンボールをいかにうまく再生して、何に使うのか、何を作るのかが私達のコンセプト。
これからの未来のためにもっといろいろなものを紙で作り出し、使ってもらえれば少しでも環境のためになるのではないかと私は想っております。 |
ペーパースツールという新たな挑戦。1983年最初に作られたオリガミスツールは、四半世紀を経て2009年7月一般販売を開始した。今後も紙を使ったアイテムの開発を展開していく。インタビューページへ |
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