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池田さんは芸術品と呼んでも過言ではない美しい化粧筆をプロデュースされています。この化粧筆、qusaviはどのように生まれたのでしょうか?
私が両親の営んでいる有田焼販売の松華堂に入社し、焼き物の勉強をしている頃です。子供の頃見た賑わいは息を潜め、閑散とした町の姿を見て、「何か町に貢献できないか」という思いでいました。
ある日、ショップ店員さんの勧めで化粧品売り場で一本の化粧筆を購入。使い心地もよく、とても気に入って使っていましたが、数か月もしないうちに、柄の部分のロゴや装飾が剥がれてしまい、裸の状態に・・・。柄のブランドロゴが気に入って購入した事もあり、とても落胆しましたがそこにヒントがありました。
私が生まれ育った肥前有田地区では、土を掘りかえすと300~400年前に作られた焼き物のかけら「陶片」がたくさん出てきます。陶片は、水で洗うと当時の絵柄が色あせることなく蘇り、先人たちの様子が目に浮かんできます。焼き物の絵柄は、数十年でも数百年でも残ります。化粧筆開発のヒントとなりました。
そこから、今自分にできることを考え「qusaviプロジェクト」を立ち上げました。「伝統は進化する」をキーワードに、柄の部分の開発には、伊万里鍋島焼「畑萬陶苑」、有田焼「福泉窯」「貴祥窯」の3窯元に、筆の部分の開発は、広島熊野筆「竹宝堂」に依頼。そして、職人さんたちの多大なるご協力の下、素敵な化粧筆が完成しました。
それではこのqusaviの魅力を教えてください。
「qusavi 化粧筆」は、見ても優雅に美しく、使っても最高級の使用感が実感できます。
世界中のブランドから認められた確かな技術を持ち、170年の歴史を誇る広島熊野筆と、400年の歴史に裏打ちされた世界を魅了する伊万里鍋島・有田焼の技術を融合しました。
華麗で優美な高級感、そして繊細でなめらかな肌触り。お化粧の時間を優雅に演出し、そして心豊かになる化粧筆です。
初めてご自身で手掛けられたプロジェクトがこの化粧筆ということで大変驚きでした。つくづく女性の感性というのは素晴らしいものだなぁと感じます。それでは今後の展望を最後にお聞かせください。
美しい佐賀の町(取材の帰り道に運営者が撮影) |
日本には、肥前有田地区の焼き物と同じ様に、後世に残すべき技術や文化がたくさんあります。
今後も優れた伝統・文化を伊万里鍋島・有田焼と融合することにより、私たち日本人が世界に誇れる商品を作り続けていきます。
モノが溢れる時代だからこそ、モノの大切さ、作り手の想いを感じてほしい。それが私たち「qusavi」の願いです。 |
世界中のブランドから認められた技術を持つ広島熊野筆と、400年の歴史に裏打ちされた伊万里鍋島・有田焼の技術が融合し、「qusavi」が立ち上げられた。インタビューページへ |
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